中日が今季初の5連勝 CSは狙えるのか
9月14日の広島戦、先発の松葉貴大が6回1失点の好投を披露し、堂上直倫が勝負強さを見せて2安打5打点。好調の京田陽太が4安打をマークするなど、10得点で快勝した。これで中日は今季初の5連勝。AクラスとBクラスがはっきり分かれている現状、白星を重ねつつある中日にCS進出は見込めるのだろうか。
ここでは、「クライマックスシリーズ」を“CS”と表記することにする。
CS進出への道を表す指標として、「CSクリンチナンバー」というものがある。本来、開幕時から存在する数字だが、開幕当初にはほとんど意味を持たず、例年この時期からスポーツ新聞等に掲載されることがある。
「CSクリンチナンバー」とは、CS進出が確定する残り勝利数のこと。この値が「10」であるとき、残り10勝すれば無条件でCS進出(Aクラス入り)が確定する。当然、残り試合数より少ない。CS進出に関わるものに限らず、「クリンチナンバー」は様々あり、「優勝マジックナンバー」はクリンチナンバーの一種である。この値は、試合の消化によって減少を続けるものであり、増えることは無い。手計算でも算出することはできるが、複雑なため、機械を用いて計算しているようだ。
CS進出が困難となったとき、「CSの自力進出の可能性が消滅した」などと表現されることがある。これは、“残り試合に全勝してもCS進出できない可能性がある”ということである。あくまでも、CS進出の可能性が完全に消滅したという意味でないことに注意。新聞等には「△」などと表記される。なお、「自力優勝の可能性なし」もほぼ同義。
「クリンチナンバー」の概念は非常に複雑であるため、「1減る条件」も非常に複雑である。マジックナンバーの場合は比較的簡易であるが、プロ野球ファンが知っているようなマジックの減る方法は、あくまでも「一般的な場合」でしか通用しない。「マジックが1減るケース」の厳密な理解は相当難解であることに注意してほしい。なお、インターネット上にある個人のブログ等(私のブログ含む)は、誤った情報が混在している可能性があることにも注意が必要。
ここまでの概説を踏まえて、中日のCSクリンチナンバーの近況の変動を見てみる。次の表の「CS」はCSクリンチナンバー、「残」は残り試合数を表す。
勝敗 | CS | 残 | |
9/1終了 | × | 40 | 41 |
9/2終了 | 40 | 41 | |
9/3終了 | ○ | 39 | 40 |
9/4終了 | × | 38 | 39 |
9/5終了 | ○ | 37 | 38 |
9/6終了 | 37 | 38 | |
9/7終了 | × | 36 | 37 |
9/8終了 | ○ | 35 | 36 |
9/9終了 | × | 35 | 35 |
9/10終了 | ○ | 34 | 34 |
9/11終了 | ○ | 33 | 33 |
9/12終了 | ○ | 31 | 32 |
9/13終了 | ○ | 30 | 31 |
9/14終了 | ○ | 29 | 30 |
9月14日の全試合を終えた時点で、中日は残り30試合のうち29勝すれば、他球団の勝敗に関わらず確実にCSに進出できる。という意味である。
序盤で紹介した概説から分かるように、CSクリンチナンバーが残り試合数より大きいとき、自力進出の可能性はない。現状、中日のCSクリンチナンバーは、残り試合数より若干少ない。この数字は他球団の勝敗にも関わってくるため、中日が5連勝しても、35から29へと6減っただけだった。
3位巨人とのゲーム差は8。以前に比べれば縮まってはいるが、まだまだ遠い。仮に自力進出の可能性がなくなっても、Aクラスの可能性は残っている。チームが好調である今、Aクラスへの道にも注目したい。