中日ドラゴンズ研究室

何かしら頑張ろう

2022年3・4月のドラゴンズ

2022年シーズンが開幕して1カ月が経過した。5月1日の試合を終えて14勝13敗。リーグ4位ながら、貯金1で進んでいる。立浪和義監督による新チームはまずまずのスタートといってもいいだろう。

 

終盤の反撃「ミラクル8」

今季のドラゴンズ打線は、終盤の反撃が多い。特に8回の攻撃での得点が極端に多いことから「ミラクル8」という言葉も広がりつつある。この流れは、開幕3戦目の逆転劇から始まったものであり、ファンにとっても最後まで目を離せられない展開になっている。

 

このようなことが起こった理由には様々あるが、控え選手の活躍や救援投手陣の安定が主な要因だろう。若手野手が結果を残しつつあることから、期待できる選手が代打として準備していることもあり、ここ一番の勝負どころで打線が繋がることが多いように感じる。また、ビハインドであってもリリーフ陣が安定していることから、点差が広がらない。昨年までに築いた安定した投手陣が、打線の援護を待つ態勢を作り上げている。

 

若手選手の台頭

開幕から野手は新しい顔ぶれが目立っている。4月30日、5月1日の2試合のスタメンは、1番右翼・鵜飼航丞、2番中堅・岡林勇希、3番三塁・石川昂弥。5月1日終了時の打率は、鵜飼.226、岡林.245、石川昂.245。多少の疲れが見え始めることもあるが、無理して起用している印象はない。控えには、平田良介福留孝介堂上直倫といったベテラン陣も準備している中で、比較的経験の少ない若手選手が奮闘している。

 

一方で投手陣は、昨年以降に活躍した選手を中心とした起用だが、髙橋宏斗が先発ローテーションの一角を担い、ここまで2勝を挙げている。さらに、投手・野手ともに、2軍では根尾昂を中心に多くの若手選手がアピールを続けている。

 

故障者続出も代替選手の奮闘

シーズン開幕直前、高橋周平の左足関節内反捻挫による離脱が公表された。二塁のレギュラーは代わりとして阿部寿樹が入った。その阿部がチャンスでは勝負強さを発揮し、チームに大きく貢献した。高橋周平が戻ってきた現在も左翼手としてスタメン出場している。

 

開幕2戦目、岩嵜翔が登板して打者1人に投げ終えたところで緊急降板。右前腕屈筋損傷と診断され、登録を抹消。ソフトバンクから移籍した右腕は、ドラゴンズ救援投手陣のキーマンとして注目されていたこともあり、痛い離脱となった。それでも、8回はロドリゲス、9回はR.マルティネスと期待に応える活躍を続いており、チームとしてのダメージはかなり軽減できているようだ。

 

さらに、4月27日の阪神戦では大島洋平死球を受けて途中交代。右膝の打撲で登録を抹消された。開幕スタートに成功し、リーグ打率は1位。そんな中での離脱であり、岡林勇希が代わりにスタメン出場。岡林は4月30日に猛打賞を記録するなど、期待になんとか応えているように感じる。

 

延長戦では3戦全勝

今季のドラゴンズはここまで延長戦での負けが無い。立浪監督初勝利となった開幕3戦目は溝脇隼人の適時打で10回に勝ち越し。4月2日の広島戦では、延長12回に岡林がサヨナラの内野安打を放った。4月13日の阪神戦では、10回に大島がサヨナラ適時打。

 

まだ3戦のみだが、安定した救援陣と期待できる控え選手の活躍がやはり大きいだろう。今季から復活した延長戦。12回までを見据えた選手起用にも注目が集まっている。今後も増えることが予想されるが、“延長戦で勝てる”というチーム作りがある程度できているのではないだろうか。

 

 

これまでの良い要素に加えて、立浪新監督の下で構築されつつある新しいチーム。ここまで勝率5割だが、今後どこまで白星を重ねることができるのか。夏以降は、どのような状態になっているのか。そんな楽しみを感じさせる開幕スタートだ。