中日ドラゴンズ研究室

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ナゴヤドームにラッキーゾーンを設置すべきか否か

中日ドラゴンズの本拠地であるバンテリンドームナゴヤ。今年1月に、ナゴヤドームに変わって名称が変更された。このドームの大きな特徴といえば、広いグラウンドと高いフェンスを持ち、投手有利の球場として知られている。近年、プロ野球チームの本拠地で見られる動きとして、フェンス前方に観客席を作り、いわゆる“ラッキーゾーン”を設けて、本塁打数の増加を見込む。一部の野球解説者は、本塁打を増やすためにバンテリンドームナゴヤも外野スタンドまでの距離を縮めるべきだ、と言及する方もいる。この策は有効といえるだろうか。

 

なお、野球以外の多目的な用途で使用される本球場だが、プロ野球開催以外の催しに踏み込むと非常に複雑になり得る。そのため、プロ野球以外の使用や施設自体への経済面などは、深く考えないものとする。また、“ラッキーゾーン”という名称は使われないことが多いが、ここではうるさく定義せず、共通認識として扱い、以下では“ラッキーゾーン”と表記することもある。

 

ラッキーゾーン設置例

現在、日本プロ野球球団の本拠地球場のうち、外野フェンスを前に出しているものは、

楽天生命パーク宮城「Eウィング」、2013年設置
*福岡PayPayドーム「ホームランテラス」、2015年設置
ZOZOマリンスタジアム「ホームランラグーン」、2019年設置

の3例。これらを設けたのは古い話ではなく、このような設置についての思考は一種の“トレンド”かもしれない。なお、かつては阪神甲子園球場にも設置されたことがある。

 

バンテリンドームナゴヤの現状

バンテリンドームナゴヤの特徴は、両翼100m、中堅120m、外野フェンス4.8mであり、本塁打が出にくい。投手有利といわれており、他球場と違ってマウンドの傾斜や固さが特徴的であるという話も聞いたことがある。ただ、マウンドは厳密に規定されているような気がするため、実際のところ、私はよくわかっていない。(根拠が弱い意見で申し訳ない。)

 

設置によるメリット

いわゆる“ラッキーゾーン”に対して、設置することのメリットとは何か。一番は本塁打数の増加だろう。分かりやすく言えば、これまでフェンス直撃の二塁打が設置によりスタンドインとなる。本塁打は最大4点を見込めるため、試合の流れを大きく動かすことができる。中日の課題ともなっている得点力を、球場の力で補えると捉えることもできるだろう。ただし、チーム本塁打は増えるといっても、チームの長打力が上がるわけではないことは忘れてはいけない。

 

設置によるデメリット

上記のように本塁打が増えるのはメリットかもしれない。ただ、ドラゴンズの本塁打が増えることは、相手球団の本塁打が増えることでもある。ここまで投手・守備を強くしてきたチームが少し無駄になる気もする。

山田久志さんが監督を務めていた頃(2002~03年)は、守り勝つ野球を目指していたように記憶している。また、落合博満さんが指揮を執っていた2004~11年は、“投手王国”と呼ばれるように投手陣を確立させ、広い外野グラウンドを生かした中距離打者や守備範囲の広い外野手、俊足選手も多く活躍した。特に昨年は、竜の投手陣が“投手王国再建”と捉えてもいい程に好成績を残した。“ラッキーゾーン”の設置は、このような野球スタイルを壊してしまう恐れがあるように感じる。

 

さいごに

私の個人的な意見としては、バンテリンドームナゴヤの“ラッキーゾーン”設置は反対。以前のブログにも書いたが、それぞれの野球ファンが様々な意見をできるのも、プロ野球の楽しみ。セ・リーグのDH制導入案のような大規模な話題だけでなく、1つの継投采配や代打起用でもファン同士が議論を繰り広げることができる。正しい答えは無くてもプロ野球の楽しみの1つはこのような自由な議論だろう。今後も本ブログでは、私自身の個人的な意見も自由に書き込んでいきたい。という風に今回のブログ記事を締めさせていただく。