中日ドラゴンズ研究室

何かしら頑張ろう

2021.03.14 オープン戦 ヤクルト-中日 1回戦

2021年3月14日 オープン戦
ヤクルト-中日 1回戦 明治神宮野球場

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
中日 3 0 0 1 0 0 0 0 0 4 10 0
ヤクルト 0 3 1 1 0 0 0 0 x 5 9 2

敗:柳(1敗)
本:平田(1号)

初回に平田の3ランHRで先制するも、先発した柳が踏ん張り切れず逆転を許す。結果的に柳は6回5失点。打線では、大島や高橋周、ビシエド、平田がマルチ安打をマークするも、チームは4連敗を喫した。

 

打撃成績 打率
1     大島 3 2 1 .286
    滝野 1 0 0 .267
2     阿部 5 0 0 .115
      髙松 0 0 0 .250
3     高橋周 3 2 0 .292
    三ツ俣 1 0 0 .333
4     ビシエド 3 2 0 .412
      武田 2 0 0 .273
5     平田 2 2 3 .238
    岡林 1 0 0 .111
6     京田 5 0 0 .133
7     根尾 3 1 0 .130
8     木下拓 3 1 0 .308
      井領 1 0 0 .200
      加藤匠 0 0 0 .167
9     三好 4 0 0 .000

 

投手成績 防御率
6 8 2 5 5 4.91
2   1 0 0 0 0 9.00
3   木下雄 1 1 1 0 0 0.00

 

6. 平田良介

平田が2安打3打点と結果を残した。初回二死2,3塁のチャンスで回ってきた第1打席、高めのストレートを右方向に流した。打球はライトスタンドまで届き、先制の3ラン本塁打となった。2打席目と3打席目は慎重に見極めて四球。4打席目には、弱い当たりのゴロが内野安打となり、相手野手の送球ミスの間に、すかさず二塁へ進んだ。平田らしい打席内容の試合だったように感じた。打率は、前日まで.158であったが、この試合を終えて.238。昨年は開幕スタートに失敗したが、今年こそ全試合スタメン出場を達してほしい。

 

17. 柳裕也

先発ローテ入りを目指す柳は、今年のオープン戦ではチーム最長となる6イニングを投げ切った。3点のリードを受けた2回、先頭に四球を与え、3連打を浴び3失点。3回には2本の長打で逆転され、追いついて迎えた4回に勝ち越しを許した。6イニングを投げ切り、被安打8、奪三振2、失点5。シーズンさながら105球を投じ、開幕を控えたリハーサルと考えれば、収穫と見なせるだろう。

 

66. ビシエド

竜の4番が右へ左へ2安打をマークした。3月12日のロッテ戦から一塁の守備を守りながら試合に出場しており、開幕に向けて順調なようだ。3回の2打席目に外角へのストレートをライト前へ、5回の3打席目には変化球を仕留めて三遊間を破った。これでビシエドは、3月9日の西武戦から4試合連続安打を記録した。

 

得点力改善に必要なことは

ここまでのオープン戦は、完封負けこそ無いが、大量得点した試合が無い。3月14日のヤクルト戦では、チーム安打数は上回っているものの敗戦。ここ数年、中日ドラゴンズは得点力不足を課題としている、と多くの解説者は口にしている。

併せて野球解説者は、“ヒットは出るが得点に繋がらない”と指摘する方が多い。極端だったのは5位だった2019年。チーム打率がリーグトップであったにも関わらず、本塁打がリーグワースト、打点がリーグ5位だった。本塁打数は本拠地の広さも影響するものとして除外しても、打点の低さは得点力不足を示しているといえる。以下では、チャンスでの打撃というよりも、チャンスの作り方に注目したい。

得点力向上において必要なものとして、1つ目は長打力。かといって、本塁打数がすべてではないだろう。一振りで試合を動かす長距離打者も当然必要だが、広いバンテリンドームナゴヤを生かした中距離打者がカギを握っていると私は考える。中日OBでいえば、立浪和義さんや森野将彦さんのようなタイプ。現役でいえば、高橋周平や平田良介、阿部寿樹あたりが挙げられる。彼らの調子が良くなれば、二死からでも一打で得点圏へ走者を置くことができ、ビシエドも絡めば容易に得点に導くこともできる。なお、3月14日のヤクルト戦では、10安打のうち、長打は平田の3ランのみだった。左中間や右中間を破る当たりは、どのような場面でも有効になり得ると感じる。

攻撃力の向上としては、機動力も必要となるだろう。分かりやすい例としては盗塁。2020年はリーグ最下位だった。“シングルヒットを打って盗塁すれば、二塁打と同じ”と考える人もいるように、盗塁の重要性は高いように思える。当然、盗塁だけでなく出塁してプレッシャーを与えることが必要。中日OBでは、荒木雅博さん(現・中日コーチ)や井端弘和さんのような攻め方だ。ここで指摘したいのは京田陽太。早打ち気味の京田は、四球が少ないため、以前から問題視されることも多いように感じる。中日サイドが求めているのは、“しつこさ”ではないだろうか。昨年は打率が低いことでの指摘も多かったが、打席でのしつこさや出塁後のしつこさが変われば、と期待してしまう。補強が必要な長打力改善とは違い、機動力改善は比較的容易にできるかもしれない。

単なる野球好きの目線から、中日の得点力について考えてみた。比較的安定感のある大島洋平ビシエドにも注目だが、やはり京田や高橋周がよりカギとなる。私の考えに異を唱えたい方もいるだろうが、ファンごとに多種の考えをできるのもプロ野球の楽しみだと感じる。オープン戦は残り5試合。打順の試行錯誤も行われるだろう。中日首脳陣がどのような策を練っているのかにも注目してオープン戦を見ていきたい。