2021.03.19 オープン戦 中日-日本ハム 1回戦
2021年3月19日 オープン戦
中日-日本ハム 1回戦 バンテリンドームナゴヤ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 5 | 0 |
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | x | 2 | 6 | 1 |
勝:福(1勝)
セ:祖父江(1S)
接戦となったロースコアのゲームを制した。開幕投手を任されている福谷は、6回を投げて許した安打は1本のみで無失点。打線では、チーム2得点のうち、阿部が2打点。8回には、バントを生かした攻撃が成功し、勝ち越した。
二塁打 | 木下拓 |
根尾 | |
阿部 | |
犠打 | 武田 |
阿部 | |
盗塁 | 髙松 |
打撃成績 | 数 | 安 | 点 | 打率 | ||||
1 | 中 | 大島 | 3 | 0 | 0 | .207 | ||
中 | 武田 | 0 | 0 | 0 | .333 | |||
2 | 二 | 阿部 | 2 | 1 | 2 | .138 | ||
走 | 二 | 髙松 | 0 | 0 | 0 | .300 | ||
3 | 三 | 高橋周 | 3 | 1 | 0 | .294 | ||
三 | 三ツ俣 | 1 | 0 | 0 | .286 | |||
4 | 一 | ビシエド | 3 | 0 | 0 | .385 | ||
一 | 滝野 | 1 | 0 | 0 | .238 | |||
5 | 右 | 平田 | 3 | 0 | 0 | .214 | ||
6 | 指 | 福留 | 3 | 0 | 0 | .000 | ||
7 | 捕 | 木下拓 | 2 | 1 | 0 | .353 | ||
捕 | 石橋 | 1 | 0 | 0 | .000 | |||
8 | 遊 | 京田 | 3 | 1 | 0 | .143 | ||
9 | 左 | 根尾 | 3 | 2 | 0 | .258 |
投手成績 | 回 | 安 | 振 | 失 | 責 | 防御率 | ||
先 | 福谷 | 6 | 1 | 4 | 0 | 0 | 9.00 | |
2 | 谷元 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2.45 | |
3 | ○ | 福 | 1 | 3 | 0 | 1 | 1 | 8.31 |
4 | S | 祖父江 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0.00 |
24. 福谷浩司
開幕のマウンドに向けての最後の試合登板は、大きな期待をもたらす結果となった。初回の先頭にヒットを浴びるも、以降は落ち着いた投球を続けた。4回には二死から2者連続四球を許し、味方の失策で満塁とするが、後続の打者をライトフライに抑えピンチを切り抜けた。6イニングを投げ切り、三者凡退は4度。被安打1、奪三振4、与四球2、失点0の好投を披露し、翌週に控える3月26日の開幕戦への順調な仕上がりを見せることができたのではないか。
5. 阿部寿樹
先週のオープン戦から2番打者として起用されている阿部が、この日は2打点。6回の第3打席、一死2塁からライト線への二塁打で先制。均衡を破る貴重な1本は勝負強く右へ弾き返す阿部らしいヒットとなった。8回の第4打席も、一死2,3塁のチャンスで訪れた。京田陽太と根尾昂の連打から武田健吾の送りバントで迎えた局面で、中日ベンチは阿部にスクイズを要求。投手正面付近へ転がる打球で、相手投手が本塁に送球するも、京田の足が勝った。昨シーズンは115試合に出場した阿部だが、犠打は僅かに5つ。シーズン通して1度あるかどうかの場面で結果を残し、貴重な勝ち越し点に繋げただけでなく、攻撃の幅が大きく広がるように感じた作戦だった。器用な打撃も見せつつ、長打も期待できる2番阿部は、今季のドラゴンズ打線のキーマンとなるかもしれない。
福谷の投球フォーム変更
3月19日の日本ハム戦で個人的に気になったのは、福谷浩司の投球フォームが前回登板と少し異なっていたことだ。シーズン開幕1週間前に迫り、開幕投手に向けて最後の実戦マウンドで、大胆な挑戦を遂行した。取材記事を見ると、福谷浩司らしい行動であり、与田剛監督の福谷に対する厚い信頼も感じた。
開幕投手に指名されている福谷にとって、貴重な登板機会に投球フォームを変えた。セットポジションから足を上げると同時に、右手を右足にくっつけるかのようにぶら下げるテークバック。福谷は「勇気は要りましたが去年の自分を捨てようかなと今はやっている」と説明。さらに、「開幕に合わせようというより、1年間戦うため」と理由を明かした。
この時期になってのフォーム変更は珍しいのではないだろうか。オフシーズンには、春季キャンプを中心に打撃フォームや投球フォームを変える例はよく耳にする。シーズンに入ってからのフォームチェンジといえば、打撃フォームの微修正か、2軍であまり振るわない投手の大胆な投球フォーム変更がほとんどだろう。シーズン開幕直前のオープン戦、ましてや開幕のマウンドに挑む投手のフォーム変更は異例といえる。
サイド転向のような変化に比べれば、福谷の例はマイナーチェンジになるかもしれない。しかし、この微妙な変化は、微妙な違和感となり、感覚が狂うことも十分に考えられる。与田監督は「この時期に挑戦できるのがすごい」と評価した。
細部への拘り、先を見据えた変更は、福谷浩司らしい決断だったように感じる。恐らく与田監督の開幕投手指名も、この人間性を十分理解した末での判断だろう。少し尖った解釈をすると、“開幕投手の大役を背負うことで、福谷浩司という投手は大きく成長する”と与田監督が考えているのであれば、この作戦は上手く進んでいるのかもしれない。